

キリスト教は世界中で最も信者数が多く、その数は地球の人口の4分の1に当たる20億人以上いるとされています。
ご自身がキリスト教徒でなくとも故人がキリスト教徒であった場合、故人を尊重しキリスト教式で葬儀を執り行うことも珍しくありません。
移住者や国際結婚が増える昨今、キリスト教の葬儀に参列するだけでなく、ご自身が喪主となる可能性も少なからずあることでしょう。
今回は、キリスト教の葬儀や費用についてわかりやすく解説します。
目次

仏教の葬儀が一般的とされる日本で、キリスト教の葬儀の相場は全く見当がつかない方が多いことでしょう。
結論から言うと、キリスト教の葬儀は仏教に比べると安いといわれています。
もちろん葬儀の規模や、教会で行うか葬儀会場を借りるか、葬儀社を通すか自分たちで準備するかなどで多少の違いはあります。
遺族や親族の他に生前故人と親しくされていた方々が参列するような葬儀の相場は、仏式が120万円前後、それに対しキリスト教式は70~80万円程です。家族葬であれば20~30万円前後、教会や祭壇のデザインなどをこだわった場合は120万円ほどかかるでしょう。
<キリスト教式葬儀の費用相場内訳>

わたしたちに馴染み深い仏教では生と死は一続きの「苦」であるとされています。
生と死の苦しみを繰り返す輪廻の中で物事の真理を正しく理解し、悟りを開いたと判断された者だけがこの輪廻から解放され極楽浄土に辿り着けます。
仏教の葬儀で供養をするのは、故人がこの輪廻から解放されるようわたしたちが仏様に祈ることで故人の功徳が積まれ悟りを開き、より良い審判を受ける助けとなる為です。
つまり、故人の為に祈ることで故人の評価に加点されるというイメージです。
一方、キリスト教において死は犯した罪がもたらした罰であるとする一方、死によって「永遠の命への始まり」を迎えたとも考えられており死は祝福すべきこととされています。
日本のキリスト教徒は主にカトリック派かプロテスタント派に分かれますが、カトリックの葬儀では、わたしたちは故人の罪を神に詫び、許しを請い、故人が永遠の安息を得られるように祈ります。
つまり、故人の負の部分を神に詫びることで差し引いていくというイメージです。
またプロテスタントでは、故人の魂はこの世を去った瞬間から神に委ねられこの世との関係は一切なくなるので、葬儀で祈ることは何の意味もないと考えられています。
「死後に救いの手を差し伸べるよりも、故人が生きている間にたくさん愛し、救いの手を差し伸べよ」という教えによって、プロテスタントの葬儀は遺族や友人が故人との最後の時を過ごすためのセレモニーという捉え方になります。

葬儀における祈りの内容が各教派で全く違うように、葬儀の流れもそれぞれの教派で異なります。
キリスト教は臨終の際にも儀式があり、ここから葬儀が始まっているとされています。
信者が危篤状態になると、所属している教会に連絡し神父を呼び「病者の塗油」を行います。かつては終油の秘跡とも呼ばれていました。
神父が到着した際にまだ病者が話せる状態であれば、神父に自身の罪を懺悔し神に許しを請う手伝いをしてもらいます。神父は祈りの言葉を唱えながら、病者の額や両手に聖油を塗ります。
次いで神父が病者に聖体であるパンとワインを与える「聖体拝領」が行われます。
この聖体拝領はイエス・キリストの「最後の晩餐」に基づく儀式とされ、これを体内に受け入れることで復活の保障を得るとされています。
臨終を迎えられた後は、罪の許しを請う祈りと永遠の命の始まりを祝す祈りが唱えられます。
カトリック同様、信者が危篤状態になると教会に連絡し牧師を呼び「聖餐式」を行います。
牧師が病者にパンとワインを与え、安らかな眠りにつけるよう祈ります。
臨終を迎えられた後は、牧師が故人の唇を水で湿らせる「死水」が行われます。
臨終の儀式の後に行われることが多く、神父や牧師も立ち会い祈りが捧げられます。
カトリックには特に厳密な決まりはありませんが、プロテスタントは原則、遺族が故人を棺に納めます。
仏教では葬儀・告別式の前日にお通夜が執り行われますが、キリスト教ではお通夜のような儀式的なものはありません。
アメリカやイギリスなどでは葬儀の前日に葬儀会場に故人が安置され、お顔を拝見したり遺族と話したりしますが、儀式などはなく自由に出入りができます。
しかし日本でキリスト教の葬儀が執り行われる際は、日本の慣習にならって通夜式を行うことがあります。
カトリックでは通夜式のことを「通夜の集い」や「通夜の祈り」と呼びます。
<通夜の集いの流れ>
プロテスタントの通夜式のことは前夜祭や前夜式と呼びます。
<前夜祭の流れ>
通夜式を執り行わなかった場合は、自宅から教会や葬儀会場に棺を移す際に出棺式を行います。
神父や牧師による祈りや聖歌・賛美歌の斉唱があります。
通夜式の流れに各教派で大差はありませんが、葬儀や告別式には大きな違いがあります。
所属していた教会のやり方や、葬儀会場に神父を呼んで執り行うかにもよりますが、カトリックでは葬儀と告別式を分けて行うことがあります。
<葬儀の流れ>
<告別式の流れ>
プロテスタントは葬儀と告別式を区別しません。
<葬儀・告別式の流れ>
キリスト教式葬儀の出棺の後は、世界的には土葬による埋葬が主流です。しかし日本では条例により火葬後に埋葬するのが一般的です。

どの宗教であっても、葬儀は弔いの場であり最低限のマナーを守る必要があります。
喪主と参列者が守るべきマナーをご紹介します。
仏教の葬儀では僧侶に対し御布施として金銭を渡しますが、キリスト教ではこれを御礼」と呼びます。御礼の相場は教会により様々ですが、一日葬で数万円から多くても10万円程度、オルガン奏者にも数万円を包みます。
金額は教会で明確に決まっていることが多いです。さらに、教会ではなく葬儀会場などで葬儀を行い神父や牧師を呼ぶ場合は「御車代」として5千~1万円を包みます。
基本的には白無地の封筒を用いますが、蓮の花のデザインがなければ白黒の不祝儀袋でも問題ありません。
神父や牧師に渡す「御礼」とは別に、その神父や牧師の所属する教会にも「献金」を渡します。「金額はお気持ちで」とするところもあれば、明確に決まっていることもあります。
相場は数万円~10万円程度となっており、教会で葬儀を執り行った際は、教会使用料も合わせてもう少し多めに包みます。
封筒は御礼と同様に白無地か、蓮の花のデザインのない白黒の不祝儀袋を使用します。
キリスト教では香典のことを「弔慰金」、香典返しのことを「返礼品」と呼びます。
仏教では忌明けとなる四十九日以降に香典返しをするのが一般的ですが、キリスト教では忌中や忌明けといった考え方がないため、カトリックの場合は故人が亡くなって30日目の追悼ミサ、プロテスタントでは1か月目の召天記念日以降に返礼品を贈ります。
品物には黒白の結び切りの水引が印刷された掛け紙を使用し、表書きには「志や「偲び草」を使用します。
キリスト教では死は祝福すべきものとされているため、「この度はご愁傷さまでございます」といったお悔やみの言葉は適切ではありません。
キリスト教では「安らかな眠りをお祈り申し上げます」といった文言を用います。
服装は仏教の葬儀と同様に喪服で、洋装・和装のどちらでも問題ありません。
数珠はいらない
数珠は仏具であるため、キリスト教式の葬儀にはふさわしくありません。
キリスト教で使用するのはロザリオですが、持っていない場合は何も持たずに参列しても問題ありません。
またプロテスタントではロザリオは用いないので注意しましょう。
キリスト教では香典のことを弔慰金と呼びます。表書きは御花料や献花料であればどちらの教派でも使用できます。
カトリックであれば御ミサ料、プロテスタントでは忌慰料を用いても良いでしょう。また、表書きや氏名は薄墨で書くのがマナーです。
不祝儀袋は十字架やユリがデザインされたキリスト教専用のものがありますが、手に入らない場合は蓮の花のデザインがなければ一般的な不祝儀袋や白無地の封筒でも問題ありません。
金額相場は仏式葬儀と同様に、故人との関係性で判断しましょう。
清めの塩は日本の風習であり、キリスト教において塩が邪気を退けるといった考えはありません。
葬儀社が用意していることもありますが、基本的にはないものと考えると良いでしょう。
もしご自身の心情として清めの塩が必要であれば、帰宅後ご自宅に入る前に塩を振ることは問題ありません。
仏式同様、弔電や香典、供花を送ります。また、弔電は言葉のマナーに気を付け、香典は表書きに注意しましょう。
供花はユリや胡蝶蘭、カーネーションなどが選ばれることが多く、バスケットフラワーにして送るのが一般的です。

本来キリスト教の葬儀において献花という儀式はありません。
お花を送る文化はありますが、手順が決まっている儀式としての献花は日本独自のものです。
仏教の葬儀でよく見られる棺に花を入れる献花とは違い、キリスト教の葬儀の献花にはしっかりとした作法があるので覚えておきましょう。
キリスト教の葬儀における献花は仏教の焼香にあたります。
喪主から始まり、遺族・親族・一般参列者の順で行います。
この際、カトリックでは胸の前で十字を切ってから左右の手を握り黙祷しますが、プロテスタントでは十字は切らずに黙祷します。
また信者でなければ仏教のように手のひら同士を合わせる黙祷でも問題ありません。
キリスト教の葬儀は、聖書の内容や神父・牧師の祈りや説教がわたしたちにも理解できる言葉であることが仏教の葬儀との大きな違いでもあります。
「死は祝福すべきこと」という教えは馴染みのないものですが、神父や牧師の話は興味深いものも多く、心に響く教えに触れることができるかもしれません。
大切な方が亡くなったことをいきなり受けとめることは難しいことだと思います。大切な方が亡くなり、さらにご葬儀のことなど分からないとなると、不安が募り、心が落ち着かなくなることと思います。
そんなとき、不安や疑問を取り除き、お客様のお気持ちに寄り添うご案内が出来ればと思っております。
後でもっとこうしてあげれば良かった・・・と悔いの残る最後のお時間にはして欲しくはありません。何時でもどんなことでも、安心してご相談下さい。


| いつでもお気軽にご相談ください。 | |
0120(000)000 |


0120(000)000 |