

葬儀の挨拶には使ってはいけない言葉がいくつか存在します。特に、他の宗派では使える言葉が浄土真宗では使えないというケースがあります。
この記事では、浄土真宗の教えの意味や、使ってはいけない言葉とその言い換え方をご説明します。
目次

浄土真宗の教えのひとつに「往生即成仏」というものがあります。これは阿弥陀如来のお導きにより、死後すぐに仏にならせて頂くという考え方です。
似た言葉に「即身成仏」がありますが、こちらは「生きたまま悟りを開き仏になる」という意味で、全く違う言葉です。
一般的に仏教では人は死後、七週間の間この世とあの世をさまよい、極楽浄土に行けるかどうかの裁きを受けると考えられています。
しかし、浄土真宗では死後すぐに仏になるためこのような考え方はありません。
そのため、死後の旅支度である死に装束や一膳飯、故人の茶碗を割るといった事は浄土真宗では行いません。
ただし、現代では浄土真宗の葬儀も一般的な仏式のしきたりにのっとって行うケースもあります。

葬儀の挨拶では使ってはいけない言葉が存在します。
その例と言い換え方を簡単にご紹介します。
死ぬ、落ちる、消えるといった不吉な言葉は「忌み言葉」といい、冠婚葬祭全般において禁句です。死ぬは「亡くなる」、「逝去」と言い換えるなど、直接的な言い方は避けるようにしましょう。
また、数字の「四(し)」や「九(く)」も「死」や「苦」を連想させるため良くないとされています。「よん」、「ここのつ」とするなど、できる範囲で言い換えた方が無難です。
「ときどき」、「重ね重ね」、「いよいよ」など同じ音を繰り返す言葉は「重ね言葉」といい、不幸が重なるとされ葬儀の挨拶では使えません。
「再三」、「引き続き」、「さらに」というような繰り返しの意味のある言葉も同様です。
他宗教の言葉も葬儀の挨拶では使わないようにしましょう。例えば「昇天」、「帰天」という言葉はキリスト教のものなので、他宗教では使いません。
間違えがちなのが「帰幽」、「泉下の人」、「幽明境を異にする」という言葉です。これらは神道の言葉なので、仏式の葬儀では使いません。
また、「成仏」、「往生」、「お悔やみ」、「冥福」、「哀悼」は仏教用語なので、他宗教の葬儀では使わないようにしましょう。なお、「冥福」は浄土真宗では使えません。その理由は後程ご説明します。
浄土真宗は他宗派では使える言葉が使えないことがあります。
主なものをいくつか挙げ、理由も併せてご説明します。
お悔やみを伝える際によく使われる言葉ですが、浄土真宗では使ってはいけません。理由は2つあります。
まず、冥福には「冥土の幸福」という意味があります。冥土とは死後にさまよう世界、もしくはその道を指します。浄土真宗では往生即成仏、つまり死後すぐに浄土へ行き仏になりますので、冥土の幸福を祈る必要はありません。
2つ目に、浄土真宗ではお祈りをしません。「祈る」というのは幸いや希望を仏に願うという意味があります。しかし浄土真宗では自分から願うのではなく、仏のお慈悲の心をありのままに受け入れるという考え方をします。そのため、浄土真宗では「祈る」ではなく、「念じる」という言葉を使います。
「ご冥福をお祈りいたします」という言葉は「故人を偲んでお念仏いたします」、「謹んで哀悼の意を表します」などと言い換えると良いでしょう。
浄土真宗では故人は眠りにつくのではなく、仏となって生きている人たちを見守り、真実の道へ導くよう働きかけてくださっているという考え方をします。そのため、「永眠」や「安らかにお眠りください」という言葉は使いません。
「お浄土より私たちをお導きください」などと言うようにしましょう。
草葉の陰というのは土の下、墓の下の婉曲表現で、あの世を指します。しかし、陰という言葉は暗闇を連想させ、冥土と同じく故人がさまよっている様子を思い起こさせます。
浄土真宗では「お浄土」と言い換えましょう。
浄土真宗では死後すぐに仏になるため、霊や魂といった概念はありません。香典の表書きは「御霊前」ではなく「御仏前」としましょう。
また「故人の霊(魂)が私たちを見守って下さっています」などという言い方はしてはいけません。「お浄土から私たちを見守って下さっています」と言い換えましょう。

これまでご説明してきたことを踏まえ、浄土真宗の挨拶の例をいくつかご紹介します。
ご遺族は悲しみの中にいるので、長過ぎる挨拶は避け、シンプルで心のこもった挨拶をしましょう。
<シンプルに伝える場合>
<故人と知り合いの場合>
故人のご厚情に感謝している意を遺族に示すと良いでしょう。ただし思い出話を長く語ってはいけません。
<遺族と知り合いの場合>
哀悼の意を示した後、相手を思いやる言葉を付け加えましょう。
通夜の後の挨拶では参列していただいたお礼と、次の日の葬儀の日程を述べます。
なお、浄土真宗ではお葬式は故人に別れを告げる場ではなく、既に仏となった故人の働きを受けている場とされます。そのため、「告別式」ではなく、「葬儀」という言葉を使います。
<例文>
本日はお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございました。お陰様で無事に通夜を終えることができました。
明日の葬儀は午前〇時から〇〇(場所)にて行います。本日はありがとうございました。
葬儀の挨拶では参列者へのお礼や故人のエピソードを簡潔に述べます。
故人は仏になり見守って下さること、お浄土で再会できることなどを盛り込むと、悲しい中にも温かな思いを込めることができるでしょう。
<例文>
遺族、親族を代表いたしまして、故人の妻に当たります〇〇(本人)が一言お礼を申し上げます。本日は遠路、またご多忙中のところ〇〇(故人)のためにご会葬くださいまして、誠にありがとうございました。
〇〇(故人)は三年前より闘病をおこなって参りましたが、今年8月より緩和ケア病棟に移りました。ボランティアの皆様とギターを弾いたり歌を歌ったりと穏やかな時を過ごし、「ありがとう、楽しかった」という言葉を遺して、昨日未明安らかに往生いたしました。
これからは仏と共に私たちをお浄土から見守り、導いてくれると思うと、〇〇がよりそばにいるように感じられます。
皆様には生前の故人と同様に、残りました遺族にもご厚情を賜りますようお願いいたしまして、ご挨拶と代えさせて頂きます。本日は誠にありがとうございました。
一般的に葬儀後の会食を「精進落とし」といいますが、浄土真宗では「お斎(おとき)」と呼びます。
参列者がゆったりとくつろげるよう、シンプルで心のこもった挨拶をしましょう。
<例文>
皆様、本日はお忙しい中誠にありがとうございました。皆様のご厚意とお力添えのお陰で、滞りなく葬儀を済ませることができました。
ささやかではございますが心ばかりのお食事をご用意させていただきました。お時間の許す限り、どうぞごゆっくりおくつろぎください。
浄土真宗では故人はすぐに仏になるという考え方から、故人に捧げる献杯は行わないとされています。しかし、それでは食事を始めるタイミングが分かりづらく、特に他宗派の方は戸惑ってしまうかもしれません。
そのような理由もあり、献杯を仏に捧げるもの、もしくは故人への感謝という意味合いに取り、献杯を行うこともあります。どちらにすれば良いか分からない場合は、菩提寺の住職や同宗派の親戚に尋ねると良いでしょう。
<例文>
故人の同僚であります〇〇(本人)です。〇〇(故人)は賑やかなことが大好きで、OB会の時は楽しいお話で会を盛り上げてくださいました。これからもいつもの笑顔で、お浄土から私たちを見守り、導いて下さることと思います。それでは、献杯の発声をさせて頂きますので、ご唱和のほどよろしくお願い申し上げます。
普段から馴染みのある、何気なく使っている言葉が実はタブーだったことを知り、驚いた方もいることでしょう。
もちろん、葬儀の挨拶で一番大切なのは哀悼の意を示すことですが、正しい言葉を使うことでその想いをより深く表すことができます。
浄土真宗の教えを知り、心のこもった挨拶をすれば、故人にとっても良い供養になることでしょう。
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